映画の舞台は、「回復期リハビリテーション病院」

 回復期リハビリテーションとは、脳卒中や大腿骨頸部骨折などの急性期を過ぎた患者さんに対して、1日2~3時間の集中的なリハビリを実施して、能力を回復させた状態での自宅や社会復帰を目的とした医療のこと。

 

 本作は、疾患ごとに国から60日〜180日間とそれぞれリハビリ期間が決められてしまっていることで、退院までの時間内でベテラン療法士と同じ成果を出せず、責任・プレッシャーを感じる、回復期リハビリ担当の新人の理学療法士(Physical Therapist、略してPT)と、彼女が初めて入院から退院まで担当する患者さんと、2人を取り巻く人々の人間ドラマを描く。

 

 回復期リハビリ病院は、片麻痺(半身不随)になったり、場合によっては失語になったりと、食事や入浴やトイレに行くなどの普通の生活ができなくなり、元の職場に復帰できなくなるなど人生が急に変わった患者さんが多い。身体的なサポートはもちろん、精神的にもサポートが必要な患者さんを担当するのは、並大抵のことではないが、2000年に医療保険で創設され、近年新たに開院した病院も多く、どこの病院も新卒など若いスタッフが多くを占めている現状を反映した作品となっている。